当院では『咬み合わせ』を非常に重要視しております。
特に矯正治療後の咬み合わせは、とても大切です。
矯正治療を行うということは、その人の咬み合わせを全て変えてしまうということです。
成人の方であれば、銀歯の一本も入っているでしょう、歯もそれなりに擦り減っているでしょう。
古い銀歯やセラミックス、擦り減ってしまった歯では機能的な咬み合わせを構築できません。
もし咬み合わせが悪いと、将来虫歯や歯周病の進行を加速させる原因となります。
当院では『ミューチュアリー プロテクテッド オクルージョン』を採用しております。
これは、前歯と犬歯と奥歯がそれぞれを守り合いながら、長期的に機能するという考え方です。
そのためには、歯の形態と歯並びが非常に重要になります。
鏡の前で確認してみましょう。
下あごを前や横へずらした時に、奥歯が当たっている方は要注意です。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic01.png)
下顎を右側にずらした時、
犬歯のみ接触し奥歯には隙間ができ、
無理な力が加わらないため奥歯が長持ちします。
下顎を左側にずらした時奥歯が
全体的に当たってしまい強い横揺れが起こり、
歯が弱ってしまいます。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic04.png)
歯にはきちんと山と谷があり、点と点でしっかり咬み合うことにより顎の位置は安定します。
古い銀歯や擦り減ってしまった歯では、修復が必要となります。
40歳以上の方であれば、顎関節症や部分的に歯周病が進行しているケースも多いようです。
過去に矯正治療を受けたが、咬み合わせなどの精密検査を行っていない方は一度ご相談下さい。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic05.png)
ある矯正治療後の患者様の治療例です。
矯正治療が終わって2年ほど経過してから、口を開けると顎がガクガクなるそうです。
耳の近くに少し痛みもあるようでした。
歯並びも美しく、矯正治療に問題があるようには見えません。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic06.png)
しかし、咬み合わせの分析を行うと、生理的な咬み合わせに歪みが生じていました。
歯がすり減ってしまい奥歯の裏側に隙間があります。 これでは咬んだ時に顎が横にずれてしまい、しっかりと咬めません。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic07.png)
そこで上下の歯がしっかり咬めるように設計図を作製します。
グレーの部分は、すり減ったところを追加修正している状態です。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic08.png)
追加する部位をまずプラスチックで作製し、お口の中に歯を削らずに装着してテストします。
そのまま、しばらく日常生活を送っていただき、咬み合わせや顎の関節の状態が改善することを確認します。
![イメージ画像](/img/functional_occlusion/pic09.png)
経過に問題がなければ、最終修復としてセラミックスを貼り付けて仕上げます。
セラミックスは擦り減らない上に生体親和性も高いため、当院では推奨しております。
患者様には『すごく咬みやすく、顎も楽になりました!』と喜んでいただけました。